第59期　第２四半期（中間期）株主通信

　総合エンターテインメント事業の売上収益におきましては、乃木坂46の興行に伴うグッズ販売や、DVD等の売上が前期比好調に推移いたしましたものの、ゲームアプリ関連の売上が軟調に推移いたしましたことで前期比1億2,200万円減収の69億2,300万円となりました。
　利益面では、乃木坂46のライブやイベント等の実地開催に伴う集客力は依然として高いものの、その反動として、配信サービスにおける売上が想定より伸び悩んだことのほか、前年同期は齋藤飛鳥の卒業コンサートに係るDVD販売収入や大型卒業ライブの開催があったことなどで、今年度の持分法利益が前期比悪化いたしました。また、SKE48につきましては、新体制への変更に係るコストのほか、同準備に伴う劇場公演数の減少ならびにCD売上が伸び悩んだことで、売上・利益共に軟調に推移いたしました。
　一方、Novelbrightにつきましては、精力的に展開しております、アリーナツアーに係るグッズ売上が好調で、前期比プラスにて推移したほか、デジタルコンテンツ部門につきましては、アプリゲームに係るリアルイベントの開催に伴う販促費用や、新規コンテンツの開発費用コストの見直しを図ったことで、利益面におきまして大幅な改善をいたしました。
　結果、セグメント利益は、前期比4,400万円プラスの8億円となり、前年同期比＋5.8％の増益にて着地いたしました。四半期比較におきましては、1Qで売上収益△3.7％、営業利益△5.1％の減収減益ではあったものの、2Qでは売上収益＋0.4％、営業利益＋26.8％の増収増益と改善しております。
　今後の取り組みにつきましては、特に業績への影響が大きい乃木坂46の活動につきましては、6期生の成長を見据えた活発な活動を展開してまいります。SKE48は、体制変更による効果として、バラエティ番組やショートドラマへの出演案件を獲得するなど露出機会が増加しておりますので、今後も、ファンの皆さまに求められる体制を意識した改革を進め、10月に予定いたしております17周年ライブの成功に向けまして、引き続き精力的な活動を展開し、着実な実績の積み上げに繋げてまいります。
　また、当社グループが今後も総合エンタメ企業グループとして発展を遂げる上で、オリジナルコンテンツの開発を命題として捉えておりますが、既存事業の強化・発展にあたりましては、新たなコンテンツの取得も重要な手段であると考えており、8月1日より新たに株式会社アオイコーポレーションがグループインしております。同社は、俳優やアーティスト、またクリエイターとしての顔も持たれる玉木宏さんや、俳優として高いキャリアのある高岡早紀さん、その他にも、将来有望なタレントが複数所属する芸能プロダクションでございます。知名度の高い俳優の皆さまに加わっていただけたことは勿論のこと、何よりも、半世紀に渡り芸能界の最前線でご活躍されてきた同社社長の葵氏の知見と経験が、エンタメ業界では後発となる当社グループにとって大きな財産となることを確信しており、今後、当社のエンターテインメント事業の更なる発展にご期待いただればと思います。

　映像制作事業の売上収益におきましては、引き続き、レギュラー番組及びドラマ制作件数の減少による影響はありますものの、派遣事業におきまして、取引先制作会社とのリレーションを高め、人材の確保や育成を含めた取組みを強化いたしましたことで前期比好調に推移いたしまして、前期比4,000万円増収の31億300万円となりました。
　利益面では、一部のレギュラー番組が終了しましたことや、特番編成により、現行レギュラー番組やドラマの放送回数が一時的に減少いたしましたことや、海外との共同製作案件の制作スケジュールが当初の予定から来期にズレ込んでおりますことに加えまして、CM制作やスタジオ事業、また、新たに開始いたしました配給部門などの開始に係る先行費用を計上しましたことたことで、セグメント利益は、前期比4,700万円マイナスの2,800万円となりました。四半期比較におきましては、1Qで売上収益△2.8％、営業利益＋120.1％の減収増益、2Qで売上収益＋5.0％、営業利益△99.2％の増収減益となりました。
　今後の取り組みにつきましては、順調に実績を積み上げておりますバラエティ番組制作を中心に、引き続き、新規案件を積極的に獲得してまいります。また、今後の成長戦略の取組みの一つとしてお知らせいたしております配給部門につきましては、映画の権利を持つ製作委員会と、全国の映画館との間を取り持ち、上映作品を観客に届ける役目を担いますが、配給会社は、作品への関わり方次第では、例えばキャスティングに対する発言権を持つなど、映画ビジネスの上流で事業を展開することが可能な事業です。今後は、当社グループのコンテンツ活用や、制作事業・人員のアサインなど、マネタイズポイントの拡大に繋がる可能性を拡げられるものと考えております。 現在、事業開始から3か月程度ではございますが、配給作品の第一弾として既に、映画「キリコのタクト~YELL~」の制作を発表しており、水面下では複数の配給案件を受注しており、今後も年内にいくつかのリリースをする予定です。
　そのほか、海外案件に係る動きといたしましては、世界トップクラスのプロダクションサービス会社によって構成されたコミュニティであるProduction Service Networkと、当社グループのTokyo Rock Studio社が日本で唯一のパートナーシップ契約を締結いたしております。 これにより、撮影のロケーションや撮影誘致などの大型海外案件が取り込めるなど、今後の新たな動きを展望しておりますので、こちらの展開につきましても随時お知らせしてまいります。

　広告代理店事業のデジタル広告部門では、インターネット広告及びインターネットメディア事業を展開しており、男性用脱毛サロンやフィットネスジム、ゴルフレッスンスクール等の顧客獲得の実績を積み上げており、YouTube等の動画配信プラットフォームを中心としたSNS媒体に向けた広告案件の制作や、アフィリエイト広告等の戦略的な広告展開を行っております。広告代理店部門ではセブン-イレブン・ジャパンが展開しているセブンネットショッピングにおける取組を、年間を通じて行っております。
　 　売上収益では、デジタル広告部門における、主要な取引先でもあります脱毛業界全体におきまして、広告出稿に係るコストの見直しやマインドの変化が依然として売上収益に影響しており、前期比9億9,800万円減収の29億8,700万円となりました。利益面では、既存の広告代理店部門におきまして、広告契約金額が全体的に減少したことに加え、デジタル広告部門における減収の影響や、将来を見据えた人材の確保、また体制強化に係るコストも計上しましたことで、セグメント利益は前期比1億4,000万円マイナスの7,400万円の損失となりました。四半期比較におきましては、1Qで売上収益△27.2%、営業利益では2800万円の損失（前期500万円の損失）の減収減益、2Qで売上収益△23.4％、営業利益では4,600万円損失の減収減益となりました。
　今後の取り組みにつきましては、デジタル広告部門では人員体制強化による新規商流の獲得及び業務の内製化により、AI関連企業や車・バイク関連企業との取り組みを開始しており、業容・業績の拡大を図ってまいります。既存の広告代理店部門におきましては、有名実況配信者や2.5次元アイドルなどとのイベント企画や、デジタルプラットフォームの企画・運営・集客サービス案件の仕込みが完了し、走り始めておりますので、今後の収益貢献に期待しております。さらに、セブンイレブンジャパン様との大型イベントの取り組みなど、来期以降を見据えた積極的な仕掛けも進捗いたしておりますので、下期での巻き返しを図り、事業計画の達成に邁進してまいります。

【物流事業】
　同事業では、2024年10月1日より株式会社トポスエンタープライズを子会社化し、同社が運営している配送事業及びアミューズメント機器を中心に一般貨物の保管・倉庫事業を展開しております。
　売上収益におきましては、千葉、埼玉、大阪の3拠点を中心に堅実な事業展開をしておりまして、26億7,200万円となりました。利益面では一般貨物部門におきましては、新たに開設しました２つの拠点に係る先行投資コストを計上いたしましたことに加えまして、顧客の獲得が想定通りに進捗しなかったことにより軟調に推移いたしました。また、アミューズメント施設向け部門におきましては、取扱商品がホール向け遊技機という特殊な貨物でもありますことから、運搬・保管における物流単価が高めに設定されておりまして、一般貨物部門と比べましても高い利益率となっております。結果、3億2,100万円となりました。

【その他事業】
　同事業では、不動産賃貸事業のほか、株式会社トポスエンタープライズにおいて、主にアミューズメントホール向けの景品の卸売事業や、ホテル事業、コンビニエンスストアの運営事業を展開しております。また、5月よりグループインいたしました、エンパイアステーキにおける飲食事業を含んでおります。
　同事業の業績は、前期比10億8,900万円増加の売上収益11億4,500万円、前期比1,000万円増加の営業利益3,400万円となりました。

　2025年12月期における、通期連結業績予想は、売上収益350億円、営業利益15億円、親会社の所有者に帰属する当期利益13億円と計画しております。2024年12月期との単純比較では増収減益となりますものの、2024年12月期における株式会社トポスエンタープライズのグループ化に伴う「負ののれん発生益25億5,100万円の計上」という特殊要因を考慮いたしますと、実質的には増収増益を見込んでおります。
　また、当社グループの連結業績に係る、指標を含めた課題といたしましては、「ＰＢＲ1倍割れの解消」「高ＲＯＥ水準の維持」「持続的成長投資」の３点を掲げており、これらの改善・実現に向けましては、積極的なIR・PR活動のほか、各事業おける成長戦略の着実な実践による事業規模の拡大を図ることで、市場からの評価を高めることが重要であると考えます。

　近年、大手金融企業とエンタメ系企業とによる資本業務提携やコンテンツ制作のためのファンドの立ち上げなどの「エンタメ×金融」の施策が複数打ち出されており、国内エンタメ業界は新たな展開や局面を迎えております。
新しい展開を生み出す過程におきましては、既存事業とは異なる規模での資金活用が求められる場面も想定されますが、現時点における当社現預金といたしましては、47億円を有しておりますほか、持分法にて当社業績に取り込んでおります、乃木坂46合同会社における現預金の50％を将来において活用できるキャッシュとして捉えた場合、その資金規模は100億円程度にまでに積みあがっております。
　当社グループにおきましても、業界の新たな潮流や動向、ニーズをしっかりと掴みつつ、収益化できる独自のコンテンツ開発を目指してまいります。そのためには、引き続き様々な業種・業界とのリレーション強化を図り、当社が有する資金を将来的に有効に活用できる最適なパートナーとともに大きな飛躍に繋がる共同プロジェクトの組成を展望してまいります。